再プレイしようかなーと思ってEP1のTIPSを眺めていた時に思いついたもの。
碑文が1986年10月4日以前に誰かによって解かれていたらどーだろうか。
碑文事前解読者はどういう立場で何ができるか……みたいな話。
「シャノン・ベアトリーチェ」
盗まれた?金蔵の指輪
今回の話はまず
「碑文が本当に金蔵によって作られたものである」というのが前提。 そして、ポイントになるのは
「指輪」……当主継承の証です。
EP1:金蔵は雨音に誘われるように窓辺へ近付く。
?
金蔵「……遅かったではないか、ベアトリーチェ。」
?
金蔵「?さぁ、全てを賭すぞ。まずは右代宮家の家督を返そう。受け取るがいいッ!!」
金蔵は乱暴に窓を開けると、指にはめていた黄金の指輪をむしり取り、力強く投げ捨てる。
金蔵はとっくに死んでるのでこのシーンは幻想です。
幻想シーンで指輪がベアトリーチェに渡った。EP3?ではロノウェが指輪を受け取ってベアトに渡すシーンもあったような。
指輪を持っているということはその時点で右代宮家の当主であることを示すと考えることができます。それは、このシーン自体が
「当主継承」を意味するのではないかということ。
これがただの幻想でなく、実際に
「指輪を受け取った人物」がいるとして、それがただの
盗みではなく、あくまで
正当なものだったら。
それが次期当主継承予定の蔵臼でないなら、その
「指輪所持(=当主継承)」の正当性は何によって保証されるか。なぜ正当に当主を継承しえたのか。それはやっぱり
「碑文解読」だろう、というワケ。
つまり金蔵が指輪をブン投げた時点かそれより前に、既に碑文を解読した奴がいたのではないかということです。
EP3で絵羽が碑文を解いてベアトリーチェから指輪を受け取った。その時のベアトは何なのか。1998年、生存した絵羽が持っていた指輪はどこから持ってきたのかということの答え。
また、EP6で領主となった戦人が持っていた指輪。結婚式でヱリカに奪われようとした当主継承者の重要な証。
「指輪の移動」によって当主・領主が変わる。指輪がポイントになってます。
もう一つ。EP2の礼拝堂で親たちに魔法を認められたベアトリーチェのシーンについても少し。
このシーンは
「ベアトリーチェが正当な当主であることを親たちが認めた」という意味ではないか……というようなことを以前書きました。これも
「指輪」の所持が前提。この時のベアトリーチェに
「右代宮家の血筋」まであればもっと都合がいいんですがね?
(参考:
【うみねこのなく頃にEP6プレイメモ:補足04】 六軒島爆発事故や紗音のことなど - 雛見沢研究メモ(仮))
従僕か当主か。ベアトリーチェの設定の歪み
ベアトリーチェは自分を「右代宮家顧問錬金術師」と称したり「右代宮家の家具」だと称したりしてます。一方、金蔵は指輪の元の持ち主としてベアトリーチェに返しているし、財産も元はベアトリーチェのものだとしている。まるで本当の当主がベアトリーチェだといわんばかりに。
考えてみれば、おかしいんですよ。
ベアトリーチェは右代宮家の従僕なのか、右代宮家の当主なのか、どっちだか分からない。「両方だ」とすれば矛盾する。
これも
「物語の融合による歪み」の一種なのかもしれません。家具としてのベアトリーチェと、当主としてのベアトリーチェの「物語」は別々なのかもしれない。
指輪を持っていたのは誰か
事前に碑文を解き、指輪を正当に所持している人物がいたら、それは「誰か」という問題なんですが……今のところは
紗音だと考えるのが妥当だってことになっちゃいます。でも、朱志香でもいいし、複数でもいいです。あんまり限定しないでおきましょう。
◆「金蔵の死亡の隠蔽」に加担していて、普段から金蔵の書斎に出入りすることができ、指輪を入手するチャンスがあること。
◆碑文のような「謎」を解くのに向いていること。頭がいいとか、ミステリに通じているとか。
◆「魔女の手紙」を書き指輪を使って蝋封し、真里亞に渡した時に「ベアトリーチェ」として認識されること。
こういったポイントから、やはり紗音だと考えるのが楽ですね、今のところは。なのでここからは
基本的に紗音だってことで行きます。
あと、嘉音が「碑文を解け」と金蔵に言われていたシーンもあります。
EP2:金蔵「?ベアトリーチェの碑文の謎を解いた者には、私が築き上げてきた全てを与えよう。?例えお前であっても、その謎を解けたなら全てを得る資格があるのだ」
嘉音「はい。ですが、僕にはあのような難しい謎はわかりかねます」
この場面がEP6で
「嘉音=紗音」に信憑性が出てしまった“あの”嘉音であるのも一つのポイントですね。ここで
「誰が碑文を解いても当主継承可能」だと確認されてるわけです。
そして、解いてしまった。
事前に碑文を解いたとして何ができるか
さて、誰かが1986年10月4日の前に碑文を解いたとしましょう。それで、その人物には何ができるか。
一応考えられるところを例示すると……
?右代宮家に仕込まれたカラクリを動かせる。
?九羽鳥庵に行ける。
?指輪と共に家督相続。ベアトリーチェの名を継承。
?碑文自体の意味や意図を理解できる。
実際にどうだか分からないですけど、想定される範囲のことです。
どれも色々と小細工を弄するには都合がいいですよねぇ……
右代宮家に仕込まれたカラクリを動かせる
カラクリ自体は、EP3や5などで何度か登場してるので、そういうもの自体は存在するようです。それが“現実に”存在するかどうかは分からないですが、少なくともゲーム盤には出てくる。
で、そのカラクリを動かせたら何なのかってことですけど?
まず、
「薔薇庭園の回転」なんて仕掛けが存在すれば、真里亞の薔薇を消せますね。昔から言われてるネタです。
あとはどういうものがあるか不明ですが、
隠し通路や隠し扉の類を利用して、殺人や破壊工作などの犯行がやりやすくなるかもしれません。
九羽鳥庵に行ける
EP3で絵羽が
九羽鳥庵にいて助かったという話があることから、碑文を解くと九羽鳥庵に到達できる可能性があります。
九羽鳥庵に行ければ、
「右代宮蔵書」が読めます。これは屋敷本館ではなく九羽鳥庵にあったものです。
EP4:?彼女が難を逃れた時に所在していた九羽鳥庵に収められていた蔵書も、この対象となったのだ。そして、後に「右代宮蔵書」と呼ばれるそれら古文書は?
ひょっとすると「右代宮蔵書」だけではなく、何らかの
「右代宮家の秘密」に繋がるものもあったかもしれません。
例えば、19年前に死んだ
「九羽鳥庵のベアトリーチェ」の痕跡があったりとか。あるいは
「19年前の男」に関する秘密だったりとか。
ここで、紗音が「自分は九羽鳥庵ベアトと金蔵の子供なのだ」と知るイベントでもあればドラマチックですかね。
指輪と共に家督相続。ベアトリーチェの名を継承
ベアトリーチェの名前を継承するってことは、
「ベアトリーチェの物語」に組み込まれるってことです。「ゲーム盤世界」で
「ベアトリーチェの外見を持つアバター」を手に入れるということでもあります。絵羽の場合はエヴァ・ベアトリーチェになっちゃいましたけど。
戦人に愛されるための「妹ベアト」でもなく、紗音にブローチを与えた「姉ベアト」でもなく、自分がベアトリーチェになる。そのために「碑文解読」という過程があれば、非常に分かりやすいんです。
それが紗音なら、
「シャノン(サヨ)・ベアトリーチェ」の誕生ってわけだ。
あと家督相続ですが……10tの黄金が実在しなくても、何らかの
金銭ないし金銭に変換可能な財産を手に入れることができる可能性はありますよね。もしお金が手に入ったら何ができるか……
まず
右代宮家ゆかりの人物に1億円を配布するのが可能に。あれもそこそこの額ですから、何かツテがないとできないはずです。それが「碑文解読」であれば話が早い。
あるいは何か妙なツテ(須磨寺とか小此木とか)でも使って、
右代宮家に爆薬を仕込むということもできるかもしれません。「六軒島爆発事故」自体がワケのわからないものなので、一般家庭でもありうるガス爆発あたりでないなら、何か特殊なものが必要になるはず。そのための資金があれば都合がいいですね。
ダイナマイトとかならそんなにお金はかからないかも? ……事故じゃないってバレないようにしなきゃ駄目ですけど。
碑文自体の意味や意図を理解できる
戦人が
「全ての真実・真相」にたどり着く過程で「碑文解読」があったわけで、やはり右代宮家に関わる色々なことを知るための
通過点になってると思うんです。解くことがイコール真相到達ではない(ヱリカは到達してない)ので、まだそこから色々と考えなきゃならないんでしょうけど。
EP3:この島の全ての謎を理解し、全ての魔法とトリックと、密室と呪いと祟りと伝説と、怒りと悲しみの物語を全て理解するだろう。
そう。ベアトリーチェは、……その真相に、戦人が自ら至ってくれることを、最初から願っている。
「うみねこのなく頃に」で戦人が理解した真相というのは、例えば
紗音一人が最初から知っていたことと考えるには、少々大げさです。
紗音もまた“碑文を解いて”、そして自分の力で真相に至り、そして理解し、それを
右代宮家の人間が読めば分かるように、ボトルメールに書き残したのではないでしょうか。
一つの考え方として。
ボトルメールとの関連
とりあえず、碑文事前解読者とボトルメール作者が「紗音」だったとして。
爆発事故との関連
EP6を読むと、まるで紗音が全てを仕組んで「六軒島爆発事故」まで引き起こしたかのように読み取れるんですが……そうではないかもしれない。ただ、ボトルメールを書いたのが紗音だとしたら、
何も知らなかったとは考えづらいです。
例えば、碑文を解くことで
10月5日に爆発する時限爆弾(仮)の存在を事前に知ることができれば、その存在を何らかの形で警告することができるかもしれない。でも紗音はやらなかったんですよね。その点では、
紗音は爆発事故の発生を望んでいたと考えるのが妥当なんでしょう。
魔女の手紙に
「時間切れは私の勝ちとなる。引き分けはありません」と書いてあるところからも、「時間制限」の存在が強く示唆されてます。
作者の慈悲
ただ、EP1では金蔵を登場させて苦労してきた夏妃を労い、EP2ではつらい目に遭ってきた真里亞を楼座とくっつけたりと、慈悲のようなものは感じられます。
ボトルメール作者と1億円配布の手紙の筆跡は同じなので、これも紗音の仕業だと考えることができます。ここにも慈悲のようなものがある気がしますね。
あと、その手紙にもあった「07151129」の数字は、ボトルメールと組み合わせることで碑文や真相を解き明かす鍵になってるかもしれない。元々碑文に書いてあるようなものではないから、
「紗音からのヒント」と見ることもできます。
戦人や真里亞の特別視
非常に強力な武器だが、七つの大罪を犯さない潔白な者や、魔力に対し強い耐性を持つ者は、攻撃対象に指定できない。
EP1のTIPSにある七杭の説明。メタ視世界はともかく、下位世界・ゲーム盤世界では、
戦人や真里亞が七杭の攻撃対象になったことはない気がします。(記憶はあまり確かではない)
七杭の対象にならないということは、この説明にあるとおり
「潔白」であるか「魔力が強い」か。作者にとって、罪がある戦人は潔白ではなさそう。「真里亞=潔白or魔力が強い」で「戦人=魔力が強い」ということ?
いずれにせよ、
真里亞と戦人に対する特別扱いが強調されているように思える。
どのみち、戦人に対してはラブだし、真里亞はマリアージュ・ソルシエールの同盟員だし、特別であることに変わりはないか。
真相の解明を望む
EP1のエンドロールの文章。
これをあなたが読んだのなら、その時、私は死んでいるでしょう。
死体があるか、ないかの違いはあるでしょうが。
これを読んだあなた。どうか真相を暴いてください。
それだけが私の望みです。
右代宮真里亞
これを書いた人物は、真相が暴かれることを望んでいます。
その真相が単に「紗音=ボトルメール作者が爆発事故の犯人だ」というだけのことなら、それは自分が犯人だと教えるというだけのこと。告白なり懺悔なりがやりたいなら、最初から「私がやりました」とでも書いておけばいいのである。
暴かれるべき「真相」とやらは、それだけではないんだろうな?ということが伺えます。
その真相を、八城は
「作者から戦人への一種のラブレター」だと解釈した。そしてEP6でベアトと戦人をくっつけた。
もう一つの真相は恐らく
「真里亞への想い」だ。EP4は「真里亞の怒りや悲しみを癒す物語」でもある。そして八城によって、真里亞は満たされ成仏?した。
しかし戦人が辿りついた
「怒りと悲しみの物語」とやらが、それだけとも考えづらい。
「07151129」は爆弾の解除コード?
EP2の魔女の手紙。
皆さんに私を止めることができる唯一の方法が、碑文の謎を解くことなのです。
それ以外の如何なる方法を持ってしても、私と儀式を止めることはできません。
ここでいう「私」というのが、
時限爆弾のことだと仮定すると……
碑文が解けたEP3では、その爆発は発生してはならないはず。でもやっぱり爆発した。これは何故か?
私はいまだにこのあたりがピンとこないんですよね。止まるはずの殺戮がなぜ止まらないのか。なぜ爆発事故が起こったのか。なぜ絵羽だけ助かったのか。
これについて、「碑文が解ければ爆弾が止まる」という機械的なものではなく、
何らかの形で人間の判断が入り込んでいる可能性を考えました。
時限爆弾の存在と、紗音=碑文事前解読前提の、EP3の流れに関するゲロカス妄想。◆碑文を事前に解読していた紗音は、時限爆弾と解除コード「07151129」を発見した。
そしてこの解除コードを隠し、事件後に遅れて届く手紙に数字を書いて送った。
◆1986年10月4日、絵羽が本当に碑文を解いた。そして紗音=ベアトが指輪を譲り、絵羽は当主を継承した。
紗音は最初から、自分以外に誰かが碑文を解けば、指輪を譲ると決めていたのだった。
◆しかし黄金(実在しないならそれに代わるもの)を独占したい絵羽が、意図的にか事故でか、楼座と真里亞を殺してしまった。その後も戦人など、何人かを殺害する。
真里亞はボトルメール作者=ベアトにとって特別な存在だから、普段ならこの段階で死なせるようなことはありえない。これは指輪の持ち主、当主が交代したことで流れが変わってしまったことを示している。
◆碑文を解いて紗音と同じように爆弾を発見した絵羽は、爆弾の解除コード(紗音が隠した)を探していた。
その絵羽に対して紗音は「07151129」という数字を与えた。譲治がたちが死んでいる扉の前に書かれていた数字である。絵羽はあからさまにこれをメモった。
◆ベアトリーチェが黄金の心臓に変化。エヴァがこれを執拗に攻撃するが、止まらない。これは「止まらない時限爆弾」(コメントで頂いたアイデア)を表しているのかも。
絵羽が解除コード「07151129」を何度も入力するが、解除できない=ベアトを殺せない。
◆なぜ爆弾が解除できないのか。「07151129」という数字は紗音が事前に手紙でバラまいているから、何か意味のある数字なのは間違いない。これが爆弾の解除コードなら、実際に正しかっただろう。しかしEP3では使えなかった。
それは解除コードが変更されていたからだと考えてみる。変更したのは紗音。理由は、殺人を犯した絵羽が、当主として不適合だと判断したから。ここに機械的でない人間の判断が絡んでいる。……いや随分自分勝手だけど、今更か。
そして紗音はもう死んでいる(絵羽が殺したか、自殺したか?)ため、変更された解除コードが分からなくなってしまった。
◆当主失格の烙印を押された絵羽は、爆弾を解除することができず、自分だけ逃げ出す。
九羽鳥庵まで退避して爆発を回避し、生還した。しかし多くを失った。
こんな感じのストーリーが作れますね。
割とありそうな気がしてきた。
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>ベアトリーチェは右代宮家の従僕なのか、右代宮家の当主なのか、どっちだか分からない。
ベアト=紗音だとすると納得できないこともないですね。金蔵に当主として認められても公表しないうちは使用人扱いですから。あるいは右代宮家に仕えるようになった理由がトラウマドロドロ的なウボァで当主となっても忘れられないとかも有りですかね。
>戦人や真里亞が七杭の攻撃対象になったことはない気がします。
確認してみると確かに刺さってないですね。ただ、同様に楼座も杭の攻撃を受けてません。Ep4を初めとして所々で邪悪の権化のように描かれる割には不思議なことです。
楼座と真里亞に関しては比較的出番が多い印象があります、良い意味でも悪い意味でも。しかしゲームマスターがベアトでなくなったEp5、Ep6では揃って第一の晩で退場、やはり何か意味があるのでしょうか。
長文失礼致しました。