「六軒島のゲーム盤世界は、まだ生まれることのできない未熟児を宿す子宮っぽいものである」という仮説。
ただのポエム。 【うみねこのなく頃にEP4プレイメモ:10】[ネタバレ] 1986年以降の未来+以前の過去 - 雛見沢研究メモ(仮)の補足記事。
*ネタバレ注意
心を守る魔法
両方に共通する魔法の役割について。
縁寿にせよ真里亞にせよ、魔法がその脆弱な心を守っていた側面がありました。
縁寿は学校や家庭の辛い現実を、魔法の友人たちによって慰めていました。
真里亞も同様です。
柔らかく傷つきやすいものを外界から守る
子宮のように、魔法は彼女たちの心を保護していたように見えました。
魔法を憎むという通過儀礼
縁寿と真里亞が、共に魔法の無力を憎むというエピソードがありました。
縁寿は、ひどい虐めに対して無力である怒りを、七杭たちに肩代わりさせようとしました。
しかし七杭たちは何もできず、縁寿の怒りに晒されて消去されました。
真里亞は、母親の理不尽な怒りに晒され、さくたろを壊されました。
ベアトリーチェですらさくたろを生き返らせることができないことを知ると、その憎しみを楼座にぶつけようとしました。
共通点は、
・共に魔法による友人を得ていたこと
・自身を害する現実に対して、魔法が無力であったこと
・魔法を憎み、否定しようとしたこと
違いは、
・縁寿は、魔法と決別したこと(多分)
・真里亞は、さらに魔法にどっぷりつかること(推測:ベアトリーチェが何か教えようとしていたし、その後の真里亞も魔法にどっぷりなので)
共に魔法を憎むという通過儀礼を経て、ひとつ成長したのだと考えます。
ただ成長の方向性は別。
縁寿が現実的な方向に成長したのに対し、真里亞は逆に魔法的な方向で成長しそう。
魔法的な成長も一応はちゃんとした成長で、
縁寿のように魔法と決別することだけが成長の道ではない……ということにしておきます。
「子宮」の中にいては外界に対して何も出来ません。
縁寿は自分から“生まれ”ました。
真里亞はあの後どーなったのかまだ分かりません。
六軒島のゲーム盤世界
ここまで考えて、ふと思いついたのは、
「六軒島のゲーム盤世界は“子宮”なのではないか」ということでした。
まー一部の方のおさっしの通り、基本
リ○○スっぽいオチを想像しているわけですが、多くは語りますまい。
六軒島のゲーム盤世界は、「誰か」の心を守るための子宮。
それは戦人かもしれないし、他の誰かかもしれないけど、とにかく守っている。
縁寿や真里亞に対しては「魔法の友人」というカタチでしたが、ゲーム盤世界は
「まやかし」というカタチでそれを実現しているのだと考えます。
その「まやかし」が覆い隠しているのは、「誰か」にとって、およそ正視に堪えない
「過酷な現実」です。
おそらくは親類が殺し合って全滅してしまうような、凄惨なものでしょう。
事件の推測は、過酷な現実を受け入れるための訓練
守られている「誰か」をメタ視世界の戦人であると仮定しましょう。
戦人には、ベアトを通じてゲーム盤世界のさまざまな情報が入ってきます。
「赤字」による情報もその一部。
ゲーム盤世界の魔法は、情報を小出しにして戦人に「過酷な現実」への想像を促します。
同時にさまざまな残酷極まりない事件を戦人に見せつけていくわけですが、これも訓練のうち。
段階を経て、その奥にある「過酷な現実」を受け入れるための準備に過ぎません。
戦人の成長
脆弱極まりない心を持つ戦人は、この「ゲーム盤世界」のおかげでそれなりに成長してきました。
「身内が殺人を犯す」という可能性を受け入れられずに拒絶し、精神的に破綻したこともありましたが、これを乗り越えました。
「信じかけたベアトに裏切られる」という経験もしました。これも乗り越え成長しました。
しかしまだ戦人の心は弱弱しく、外界の空気に耐えられるような、薄皮一枚さえ危うい状態。
ゲーム盤世界の「まやかし」という子宮の中でしか、生きることが出来ません。
しかしいずれ戦人も成長し、“生まれる”時がくるでしょう。
その時の戦人の成長が、「人として」のものなのか「魔法使い」としてのものなのかは分かりません。
また、戦人が見ることになる「まやかし」の向こうにあるものが何なのかも、まだ分かりません。
“生まれた”戦人は、その「過酷な現実」の中で、よりマシな結果を求めて奮闘することになるでしょう。
生まれるための障害
今のところ判明している最上位の障害は、ラムダデルタです。
「永遠の引き分け」とは、戦人がゲーム盤世界の「子宮」に永遠にとどまることを意味します。
生まれることのできない、永遠に停滞した世界です。
従属することしか知らない家具たちのような“なまぬるさ”で、その世界にあるものの成長を拒絶するでしょう。
ラムダはこの世界でベルンの屈服を狙っています。
金蔵はこの世界でベアトに会い続けることを望んでいそうです。
エンジェはラムダにそそのかされ、この世界で戦人に会い続けることを望むかもしれません。
エヴァは自分が当主となる夢を実現し、「子宮」の外にでましたが、代わりに多くのものを失いました。未熟児だったのです。
ベアトやベルンはこの世界に変化を望んでいるようです。
戦人は脱出しようとしているはずです。……たぶん。
他にも“生まれたくない”キャラがいるかもしれませんし、“生まれたい”キャラもいるかもしれません。
六軒島のゲーム盤は、未熟児たちが成長し、「過酷な現実」に生きる力を持つまで、永遠にループしつづけます。
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この記事を読ませて頂いて、この『子宮』というのは碑文に関連付かせることができるのではないかなぁと、ふと考えつきました。
例えば、
懐かしき、故郷を貫く鮎の川。
→生まれ出でた母体を貫く膣(産道)
黄金郷を目指す者よ、これを下りて鍵を探せ。
→黄金卿が微妙ですが、受精とか。で、膣を抜けて卵子を探せ
川を下れば、やがて里あり。
→里が子宮かなぁと
その里にて二人が口にし岸を探れ。
→二手に分かれている卵管を探る
そこに黄金郷への鍵が眠る。
→排卵されていれば卵子があります
鍵を手にせし者は、以下に従いて黄金郷へ旅立つべし。
→卵子を見つけたら…という感じでしょうか。でも以下、第一の晩~第八の晩が…細胞分裂とかの類かなとも思ったんですが、ちょっと説明を付けれるまで考察できてませんので、とりあえず保留としまして。
第九の晩に、魔女は蘇り、誰も生き残れはしない。
→「蘇り」が微妙ですが(半分ずつの遺伝子が再び一つの生命の中で蘇る?)、一つの精子が卵子に潜り込んだ時点で、他の精子はお役御免で死滅していきますので、そんな感じかなと
第十の晩に、旅は終わり、黄金の郷に至るだろう。
→受精完了
魔女は賢者を讃え、四つの宝を授けるだろう。
→この四つの宝というのも考察できてません…
安らかに眠れ、我が最愛の魔女ベアトリーチェ。
→母の中で眠れ…?
(四つの宝の「永遠の眠り」と、この「安らかに眠れ」が連動してるっぽいので死産なイメージですが…連動してなくて「安らか」→「健やか」のイメージなら胎児になれるかなぁと)
穴だらけで都合のいいところだけを取ってきた感じですが、なんとなく思いついたのでコメ残させて頂きます。受精とかちょっと生々しいですが(笑)
何かの考察の足しになれば幸いです。長文・乱文失礼致しました。