第二話、クリアしました。
ネタバレ全開
茶会部屋での「魔女を信じないゲーム」の戦略考
注!この戦略考は基本的に私の脳内妄想です。あんまり信用しないでください。ゲームに対する基本的な認識
魔女さまの超親切なアドバイスのこと
これはチェスプロブレムではない。
対等なゲームだ。
妾だけが一方的に詰めるわけではない。
そなたは妾の詰めから懸命に逃れ続け、引き分け無効試合に持ち込むことができる。
まぁ、せいぜいそなたにできるのはそれを延々と繰り返すのが関の山よ。
そしておそらく、それはそなたにとってそう難しいことではあるまい。
(略)
……それは、妾にも敗北の条件を設けてあることだ。
負けのないゲームほど退屈なものはないのでな?
妾を負かす方法。
それは、妾の肖像画に捧げられたあの碑文よ。
自分で弱点を晒してドツボっていくのが大好きな魔女さまですが、とても親切な解説があります。
それが上の文章。
これは戦人に対して魔女が言ったものなので、戦人は当然聞いています。
【うみねこ】[第ニ話プレイメモ] ? 1986/10/04 19:30?22:00? でも書いたことですが、この文章に含まれているゲームは「二つ」あります。
一つは
「無効試合を繰り返すだけのそう難しくないゲーム」=「魔女を信じないゲーム」(推測)
もう一つは
「碑文を解くのが早いか魔女の儀式完遂が早いか競争するゲーム」 です。
今回触れるのは後者ではなく前者のみ。つまり「そう難しくないゲーム」の方についてです。
勝てないけど負けないのは簡単
このゲームのポイントは、「引き分け無効試合を延々と繰り返すだけ」だということ。
そしてそれは「そう難しくない」ということ。
そもそもこちらのゲーム自体には「勝ち」がありません。別のゲーム(碑文解き)の方で勝つために、
「時間を稼ぐ」だけのゲームです。
そして、引き分け無効試合にするのが簡単である以上、魔女の仕掛けてくる攻撃(今回は主に「密室」ネタ)には、当然なんらかの
「隙」があります。
もし「隙」がなければ「マジで魔法を信じ込まされて終了」になりかねないので、とてもじゃないですが「そう難しくないゲーム」などとはいえません。
魔女さまのハッタリのこと
礼拝堂にせよ、朱志香の部屋にせよ、ベアトリーチェは「密室」ネタで議論をふっかけてくる時、
「全く隙のない完璧な手なんですよ」という顔と口調ですが、実は
嘘です。
プレイメモの方で何度か書きましたが、ベアトリーチェは
「隙のある密室ネタ」を“いかにも隙がないかのように見せかけて”……つまりハッタリで相手をビビらせ、「本当に隙がない」と信じ込ませようとしているだけです。
「隙」が無ければ「引き分け無効試合」なんかになるわけがないので、ベアトリーチェの密室ネタに「隙」がないと感じた時点で、
ベアトリーチェのハッタリに騙されてる鴨(カモ)です。
つまり戦人くんは、ベアトリーチェのハッタリに簡単に騙されてくれるオイシイ鴨なんです。
作品の都合的に、ベアトリーチェのハッタリを
「スルー」する紗音さんのような人がゲームの相手だと、魔女さまが不利すぎなので、
戦人くんのような「リアクション芸人」が必要なだけなのです。
演出上の問題ですね。(私も騙されそうになったのは内緒です!!!!)
戦人の戦略について
戦人の戦略
今戦人がやっている「復唱要求」を基点とした戦い方は、割と大変です。
戦人の戦略は、いわば
「近似解」(本来の用法とは多分違う。この場合は「問題に設定された条件をクリアする解」程度の意味)となるものを片っ端から列挙し、ベアトリーチェに設定された「隙」に“偶然当たる”まで弾を打ち続けるというものです。
(参考)
近似アルゴリズム - Wikipedia 要するに「シラミ潰し」なんですが、彼なりにシラミ潰しの効率的な方法を模索してはいるよう。
しかし、ベアトリーチェが「情報を与えないために」回答を拒否したりと、かなりキリがない感じで先が見えません。
絵的にはこんな感じ。
■■■ ←【穴のある密室ネタ「本体」】
隙■■ :「隙」がなきゃゲームにならない
■■■ :「隙」にボールが入るとゲームクリア
:実際は全体像が見えないほど範囲が広い
□□□ ←【ベアトリーチェのハッタリ(カムフラージュ)】
□□□ :“後ろ”にある「本体」を覆い隠している、紙の膜みたいなもの
□□□ :戦人の気力・想像力が尽きるまでボールを投げさせれば勝ち
↑↑↑
○○○ ←【戦人の攻撃用ボール】
○○ :戦人の気力・想像力・「近似解」の玉が尽きない限り無限
:カムフラージュで後ろが見えないので闇雲に投げるしかない
:「赤文字」等で、隙がどこにあるのかを効率的に探すことは可能
実際にはこんな戦い方をする必要がないこと
上の戦略だと、戦人が一方的に弾を撃ち続けなければならない感じなので、気力・想像力ともに大変です。
戦人の戦略の方向性は、「密室を構成する論理に人間に再現可能な隙を見つけてベアトリーチェを論破しよう」という
「攻撃」の構え。
しかし本来のゲームの内容とルール的には、別に
「攻撃」する必要すらありません。
「個別ゲーム(例:礼拝堂の密室)」にはゲームクリアの条件が存在しますが、「ゲーム全体(魔女を信じないゲーム)」に勝利条件は存在しません。あるのは引き分けにする方法だけ。
「個別ゲーム」をクリアしても、ベアトリーチェは“無限にやり直す”だけなので、終わりはありません。終わるのは碑文を解いたときだけ。
どういうことかお分かりになるでしょうか。
つまり戦人は、
「頑張る必要のないゲームで頑張ってる」ってことです。
ゆ??っくり、の???んびり、5時間かけてクリアするか、そもそもクリアしなくてもいい「個別ゲーム」を、5分でクリアしようとしているような状態です。
ゲームの基本的なあり方は、「マラソン」であって「短距離走」ではありません。
のら?りくら?りと、てきと??にやり過ごして時間を稼ぎ、「碑文の謎」を解けばいいだけなんです。
だって、負けなきゃいいだけで、勝つ必要なんか全くないんですし。
(それでは見てる方は面白くありませんが)
「魔女を否定したいから」「身内を疑いたくない」とやたら積極的になってますが、それこそが
魔女の罠です。
スルーする能力
見慣れた現象で魔法とか超能力とか信じろって方が無理
何しろこちらは「個別ゲーム」で魔女・魔法を信じなければいいだけ。
「密室殺人」という手品っぽい「現象」は「フィクションの中ではごくありふれたもの」であり、言ってしまえは「見慣れた手品」のようなものです。
いかに演出を利かせようと、「箱に入った人間が別のところから出てきました」という舞台でよくあるマジック。あるいは「ビンの中に入らないはずのコインが入った」というマジック。そんな
「見慣れた手品の現象の“結果”」で、魔法だ超能力だといわれて信じろってほーが無理です。
手品の結果だと思われる「コインの入ったビン」だけを見せられてどーしろと。
異常な精神状態の時ぐらいしか、オカルト方向に思考が飛ぶことはありません。(きっと)
その「異常な精神状態」を作るのが魔女のハッタリです。
“結果”しか見せられない。驚けない
「B=バカ(仮キャラ)」と「魔女さん」の会話
魔女「密室の中に死体が!すごいだろうが!魔法だろうが!妾の靴にキスしろ!」
B「で?何がすごいの?」
魔女「密室だろ?中に人とか入れないだろ!?中の人は出られないだろ!?」
B「ふーん。すごいね。でもなんか、そんなの見たことあるね」
魔女「見たことあるってなんだ!!もうちょっとおどろけ、このバカ!!貴様、この素晴らしい密室の意味がわかってないんじゃないのか!!」
B「(なんなんだよ……うっとーしいな……)わかった。わかった。すごいね。密室だね」
魔女「なんだその気のない返事は……全然信じてないだろ……」
B「(やばい!また泣きそうだ)えっと……どうすごいのか、解説してくれる?」
魔女「おお!うむ!!まずな!この鍵がな!!(略)」
・・・
魔女「どうだ!すごいだろうが!」
B「おー、すごいすごい(ぱちぱち)」
魔女「……なんだ……そのいい加減な拍手は……なんなんだお前は……ぐすっ…うぐっ……」
B「(あー……)」
はい。
気持ちの悪い会話文を書いてみました。読んだ方はご愁傷様。
(こんな妄想してるのが楽しい人間です)
魔女さまは、魔法で起こした「結果」しか見せることができません。
自分で、戦人に対して魔法を実演してみせる……という一手を封じてしまっているからです。
そのため、「密室殺人」という(戦人にとっても)未知ではない「結果」だけを見せられても、“ごく冷静な状態”であればそう驚くことさえできません。
(“ごく冷静な状態”とは、中にある死体に動揺するとか、そういった要素を排除した“仮想的な精神状態”です)
魔女の「ハッタリ」が効果を発揮していない状態では、精々こんなもんだろうというお話。
魔女さまの
「魔法を信じて!アタック」を適当にスルーしてるだけです。
全部気のせいだもの
「放置&スルー」 これが「魔女を信じないゲーム」に対する、より効率的な戦略です。
放置もスルーもできない戦人は疲弊する一方。
放置してスルーするなら、
むしろ疲れるのは魔女の方(多分
当たるまで玉を投げるのではなく、相手が投げてくる玉を待つ。
「信じさせたい」のは魔女であって、戦人ではありません。ほっとけばそのうち何かしてきます。 攻めても引き分けにしかならない戦いで、必死に攻撃するのは疲れるだけなのです。
「人間に可能だと信じていればいい」のであって「証明する」必要は特にありません。
逆に魔女の方が「人間に不可能だ」と証明しなきゃならないんですが、証明というよりハッタリでビビらせて納得させようとしてるだけです。「隙」があるから証明なんかできるわきゃないんです。 戦人が無駄に必死になってるのは、何よりも
「魔女のハッタリが利いてるから」です。
「放置するとペナルティがあるような“気がする”」
「弾を投げ続けて相手を言い負かさなければならないような“気がする”」
“気がする”だけ。 そんな気になってしまうのは、全部魔女のハッタリです。
冷静になりましょう。
「魔女を信じず、碑文を解く」それだけです。
戦人は何も証明する必要がない。
「魔女の密室に隙がある」ことを証明する必要がない。
ごく自然に「ベアトリーチェの赤文字が真実だ」と信じているように、「全ての犯人はニンゲンであるベアトリーチェだ」と信じてればいい。
「すごいなー、お前は天才だなー、俺にはとても真似できない手品だ。いやホントーにすごい(ニンゲンとして)」戦人、魔法を目撃すること
作中、戦人がガチで魔法らしきものを目撃したシーン。
「お菓子の修復」です。
実際には手品なんだか魔法なんだかわかりませんが、ベアトリーチェは魔法だという。戦人は手品でもできるという。
結局はアレなんです。できるだけ自然に「手品じゃん」的な対応をすること。(戦人はちょっと焦ってましたが)
密室殺人もお菓子も大して変わりません。よくある手品で起こる程度の「現象」です。
「あーなんかそんな手品みたことあるなー」でいいんです。
ブタ札を掴んで必死にハッタリかましてくる魔女さまをニヨニヨして眺めてればいいんです。
予想されるベアトリーチェの対応
「放置&スルー」がもし戦人にできたら。(できないでしょうが)
もし戦人にできたら、さらにハッタリを利かせてどーにか動揺を誘うか、でなければルールの追加・変更をするしかないんじゃないでしょうか。
例えば、戦人がスルーするたびに茶会世界に他キャラを呼び出して(できるのか?)拷問しまくっちゃうとか。
そんなことしたら必死なのがバレバレになっちゃうんですが。
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