(最終更新:2008/07/16)


まず、私はこの「澪尽し編」を
“外伝”以上として扱わないということを明確にしておきます。
作品としての出来の問題ではなく、作品のイメージが私の中で変わりすぎるのが理由です。
特に
羽入関連の設定の違いなんかが大きいですね。
私としてはPS2版の羽入の扱いの方が好みなんですが、そういう問題じゃぁありません。
原作と混ぜて考察しようとしたら、相当なカオスになるでしょう。
以下、完全に
ネタバレなので未プレイの方は注意してください。
長いので分割しました。
(関連)
【ひぐらし】[PS2版] 「澪尽し編」に関する感想+考察 -ツッコミとかネタとか-
PS2版のオリジナル設定について
いくつかPS2版固有の設定が出ているので、主なものを挙げます。
ただ私が「祭囃し編」の内容をかなり忘れているかもしれないので、話半分程度でお願いします。
梨花と母親の関係について
まず梨花のこと。
母親によく思われていないのを知りながら、料理の腕などを隠さなかった理由が最初に出てきます。
いわく「羽入の存在を認めてくれない母親に、羽入のことを分かってもらおうとした」とか。
母親は梨花に料理を教えたのは老人たちだと解釈していましたが、梨花は飽くまで「羽入」に教えてもらったのだと主張し続けていたようです。
しかし、梨花の母親の手記らしきTIPSなどからは、「梨花が羽入の存在を主張していた」という事実は
一切伺えません。 私が思うに、梨花と母親の険悪な関係は、PS2版での梨花と鷹野の関係と共通点がありそうです。
PS2版で顕著な「梨花の“他人を見下した攻撃的な性格”」が、同じような性質を持つ人間……つまり「梨花の母」や「鷹野」と反発してしまった……という話なのではないかと。
ぶっちゃけた話、
梨花は演技をしてないとただのヤな奴ですから。
自分でも
「見下したように自分をひけらかして?」とか言ってますが、その通りです。そりゃ周りと不和も起こるでしょう。
PS2版ではその部分が強調されているようですが、原作でも結構なモンです。
色々と理由をつけてはいますが、梨花も母親も鷹野も、相手が自分の思い通りにならないのが気に入らなかっただけのように見えてしまったり。
部活会則 第九条 競争原理でも機会は平等
これもPS2版オリジナル設定だと思います。
ちなみに他の会則はコレ
会則第一条 狙うは1位のみ!いい加減なプレイは許さない!!!
会則第三条 勝利のためにあらゆる努力をする!!!
会則第三条 ゲームは絶対に楽しく参加しなければならない!!!
会則第七条 罰ゲームの内容に逆らわない!!!
圭一によれば、魅音はその場限りで適当に言ってるだけではないかとのこと。
他の会則は未だに不明。
第九条だけ「競争原理」なんて妙な言葉が登場してるのは少し違和感。
村ごと記憶・経験継承
今回は、最初から「村人たちが圭一をかなりのレベルで受け容れている」……という設定があるようです。
沙都子に対しても割と好意的な感じ。
村における「部活」の認知度も高い。
初期配置の違いというより、皆殺し編などで培った圭一の立場が、村単位の記憶・経験として継承されていると考えるのが妥当かなと。
クラスメイトの総部員化、圭一の委員長・部長就任もこの流れでしょうね。
沙都子にトラップを教えたのは魅音
妥当でしょうねぇ……他に経路が思いつきません。
初出だったかどうか自信がありません。
詳しい経緯は不明。
リナを殺したのは鷹野たち
祟殺し編でもリナは殺されています。
ドブ川に遺体が放置されたりしてますが、犯人は分かりません。
園崎には「村のイメージを悪化させたくない」という方針があるので犯人とは考えにくいですし、かといって山狗がわざわざリナに手を出す理由も特にないはずでした。
(参考)
詩ぃ掲示板[ひぐらし専用掲示板] [No550738 の記事表示] こういう前提があって、今回澪尽し編で提示された「リナが殺された経緯」は……
なんと、
「診療所に迷い込んできたリナを鷹野たちが殺した」というものでした。
なるほど脈絡は全くないけど、一応話は通じるなぁと。
この展開を祟殺し編に組み込むとすると……
園崎の黒服たち?がリナを捕まえに来たTIPSではリナは捕まらず、一旦逃げおおせて、後で山狗に捕まった……という風に解釈することになるんでしょうか。
園崎につかまって死んだ世界や、鷹野につかまって死んだ世界が入り混じってるのが実際なのかもしれません。
羽入、テレパシーで皆にアドバイス
きっと誰もが思うはず。
「最初からやれよ」と(笑
しかし、レナにアドバイスした時は、意図が正確に伝わってません。逆に精神的に追い詰めてますね。いつものことといえばそれまで。
この羽入の行動の逆効果っぷりからすると、各編で発症したキャラの背後をつけまわし、精神的に追い込んでいった……というのもありそうな話だと思えてきます。
要するに羽入は
危ないド天然だということ。
……言い過ぎ?
レナは入江機関の治療を受けたことがある
設定と矛盾してどうしようもない……ってわけじゃないんですが、ものすごく違和感がありますね。
入江機関が「レナという重度発症の経験者をほぼ野放しにしている」ということになるので、これがまず全く理解できません。
しかも現在のレナは相当不安定なままです。
にもかかわらず、診療所に通っているような様子もない。
さっさと拉致して、処分するなり実験材料にするなりすればよかったんじゃないでしょうか。
危険人物を放置しておく理由が何もありません。
入江機関はノータッチで、自然回復したって方がまだマシだと私は思いますが……
どっちもどっちですかね。
圭一が撃ったのは“少女”ではない
原作だと
「小さな女の子ばかりを狙ってたんだって?」 などの記述がありますが、PS2版では「女の人」ってぐらいですから、そこそこ成長した女性のようですね。
多分規制でもかかったんでしょう。
「圭一が謝りに行った」ってのはオリジナルの展開ですが、いい要素だと思います。
原作に残っていたモヤモヤと引っかかる要素が一つ消えた感じです。
鷹野のスクラップ帳がトラップ
鷹野がスクラップ帳を見せて回っていたことが、全てのトラップだった……というような話になってます。
ルールX関連中核みたいな感じ。
しかし、当然それだけじゃありません。
富竹や大石、入江などの言動も、圭一たちの疑心暗鬼を煽ってます。
特に「大石」の役割は原作でも言及されてました……よね?
恐らく、全ての原因を
無理やり「鷹野」に集約しようとして、こういう話にしたんじゃないですかね?
「スクラップ帳さえなければよかったのか」といえば、そんなことはないんですが、そうした方が分かりやすいってことなんでしょう。
桜花と羽入の昔話
古手の巫女である桜花(羽入の娘)が、とある伝染病(雛見沢症候群ではない)の治療薬を羽入に作らせるところから話が始まります。
薬が完成し、桜花はそれをタダで村人に配りました。
ところが、都合のよすぎる怪しい薬の出所に、当然村人は疑問を持ちます。
そして村人たちは、「桜花を祭り上げるグループ」と「桜花を鬼と通じる裏切り者とするグループ」に別れ、争いが発生しました。
ここで桜花が仲裁に入りましたが、今度は矛先が自分に来てしまうんですね。
そして、薬の秘密やお宝の噂に目がくらんだ村人たちによって、桜花は自分の娘もろとも酷い目に合わされます。
それを知った羽入がブチギレて村人を虐殺しまくる。
そんな羽入を止めるべく、桜花は自分の血を塗った刀で、羽入を切り伏せる。
こんな昔話があるようです。
要するに、
不正をするとロクなことがないという話ですかね。
ここで注意しなければならないのは、この村には既に雛見沢症候群が蔓延していたらしいこと。
症候群の原因は羽入たち?にあるので、村人がオカシイのは、ぶっちゃけ彼女らのせいです。
羽入は人間を
ゴミ生物とか言っちゃいますが、自分のことは棚上げです。
人間たちがゴミ生物なら、羽入たちは害獣です。というかバイキンです。
……言い過ぎ?
羽入は宇宙人のような何か
・羽入は薬を作る「機材」を持っている。
・この「星」の?という表現を使う。
・「翻訳機」を持っている。
・実体化し、爪と牙を伸ばして硬質化し、相当数の兵士を一人で殲滅できる。
・桜花は娘。
・同種族の血液が弱点。羽入の肉体の硬質化や「結界」を無効化できる。
・山の斜面でコケて木のトゲで怪我をした時に、桜花の父と出会った。
・桜花の父が何故羽入を見ることが出来たのかは不明(実体化してた?)
・羽入と雛見沢症候群の関係は不明(原作では羽入と同種族らしい?)
・羽入は、原理はよくわからないが地球外の量子が高位結合した、いわゆる異種生命体
・羽入の身体を構成する物質は、本来微細かつ超高速の結合速度であり、もしその不可視な運動速度を普通の人間の目に「映る」レベルに引き下げるだけでも、大量の生命力を消費する
・さわれるほどに「物質化」すると、生命維持にも関わってくる
・梨花は例外的に視聴覚ではない別の「何か」で知覚することができるが、今までも触ることはできなかった
・羽入の力と同化すると、意思の力で凄いことが出来るようになる。(例)弾丸避け
こんな設定があります。
これ、原作に適用したら酷いことになりますよ。
そもそも、原作祭囃し編のように、実体化した状態を維持できません。
エネルギー切れで死にます(笑
梨花は悟史が入江診療所にいることを知ってた
原作ではどうでしたかね?
入江が何か色々言い訳してましたが、単に守秘義務があっただけじゃないのかと。
教えたら、最悪の場合、山狗たちによってその相手が消されるかもしれないンデショ?
詩音や沙都子に話せるわけないじゃないですか。
鷹野がスクラップ帳を見せて回っていたのは、(詩音に)園崎を疑わせ、警察や周囲の連中を錯綜させることが狙いだった
園崎ブラフを利用していた……というようなイメージなんでしょうけど、ちょっと妙です。
詩音は仮にも園崎の人間ですから、魅音に
直接きっちり話を聞けば、そこで「園崎への疑い」は消えてしまいます。
これは「澪尽し編」そのままですね。
詩音の発症が絡まない場合は、こういう流れになるのが自然でしょう?
それどころか、鷹野側からは「詩音が元から園崎に関して詳しい知識を持っている」という可能性さえ考えられるはずです。
もしそうなら、スクラップ帳なんか一読して一笑にふされたでしょう。
つまり、鷹野があんなスクラップ帳一つで、
“狙って”詩音をけしかけたり、警察や周囲を錯綜させようとしていた……なんてのは、いくらなんでも無理があるんじゃないかということです。
効果を発揮するには、相応の条件をクリアしなければならないでしょう。
例えば……
・詩音が悟史の件で村や園崎を疑っていること。
これはクリア。鷹野側からも推測できます。
・詩音が村や園崎の事情に詳しくない。
これはどうでしょう。鷹野には知りようがないのでは?
・詩音の判断能力や情報収集能力が低い……というかほとんど皆無。
これはナメすぎでは。
・詩音は魅音と密接なコミュニケーションが取れない
これはクリアできないでしょう。
詩音と魅音の仲がそこそこよければそれだけで駄目になるかも。
というか、そもそもそんなスクラップ帳を使った鷹野個人による素人工作なんか、必要ないんですよね。
ちゃんと山狗が普段から頑張ってますし、園崎ブラフは機能してるんですから。
鷹野は工作の専門家ってわけでもないでしょうに、何を余計なことをやっているのかと。
山狗からすればいい迷惑でしょう。
ただ、鷹野は元々ちょっとオカシイので、妙な狙いで妙な行動をとったとしても、ありえない話ではないかも。
これが“偶然”本当に妙な効果を及ぼしてしまうのは、一重に鷹野の意志の力……ってわけですかね。
だからといって、“狙って”やるようなものではないでしょうが。
沙都子の両親の事故の真相
両親のことを疑っていた沙都子。
しかし公園で二人の話を盗み聞きしているうちに気が変わり、(好意的な意味で)両親に飛びつき抱きつこうとしました。
ところが、それを受け止められずにバランスを崩した両親が、柵をブチ破って転落。
これが真相です。
「沙都子が殺そうとして殺したのではなく、事故だった」という結果から逆算して作られたストーリーって感じがしますね。
殺してなくてよかったね!
って結局沙都子自身が原因であることに、何の変わりも無いんですが。 それでいいのか……?
空気感染さえも可能にした新型ウィルス H173-02
谷河内の採石場から散布される予定だった、
超生物兵器。 鷹野が頑張って開発したんだそうです。何やってんだかね。
ここまで大胆な工作ができるなら、「梨花の死亡時刻」なんかに拘らず、適当に偽装して作戦決行すりゃよかったんじゃないか……なんてのは
禁句。 飽くまでも鷹野たちは梨花の死体の本物にこだわらなければならないという設定らしいです。
羽入がネガティブなことを言っていたのは、梨花を発奮させるため
まわりくどいわッッ!!!!!!! 要するに羽入は、励ますと逆に何もしなくなるダメな梨花を、どうにか動かすためにそんな苦肉の策をとっていたらしい。
本当は、梨花たちと6月の先へと進みたかったんだとか。
原作とはちょっと違う……気がしますが、これはこれでいい理由だと思います。
私は初めて、かつて子持ちだったはずの羽入に、
母性らしきものを見たのであった。
J( 'ー`)し りか、どうせこんどもダメなのです。
(`Д) うるさい死ね! ナメんじゃねぇこのクソ神がッ!!
J( 'ー`)し ……りかは挑発しないと何もしないのです……
なんだこれ田無美代子
鷹野の真名(まな)
小説の「怪談と踊ろう、そしてあなたは階段で踊る」の登場人物ですね。
原作ではフルネームで本名出てたかな…? 忘れました。
(参考)
怪談と踊ろう、そしてあなたは階段で踊る - Wikipedia
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「外伝」だと「本編」と「繋がり」があるわけですが・・・。
PS2版は、漫画の世界ではたまにある「最初の作者とは別な人
が最初の作者(著作権保有者)の許可を得て描いたバージョン」
と割り切るのが1番妥当なのでは?
古い例で恐縮ですが「マジンガーZ」は「永井豪」版も良いけど
「桜多吾作」版も傑作だと思う。アレを「永井豪が描いたモノで
はないからマジンガーZとは言えない!」と否定するのは、了見
が狭い、しかし永井豪の「マジンガーZ」の考証をする時に参考
にならない。つまりはそういう事だと思う。